音楽鑑賞の記録

ほぼクラシックのcd鑑賞記録です。

佐野元春 SWEET16 30th Anniversary Edition(2023年)

MHCL-2984(Sony Music

6CD+Blu-ray Disc+ポスターで、大きい・重い・高額と、超弩級の記念盤。

当時、30年後にこんな買い直しをするなんて思いもしなかっただろう。

とにかくパッケージが大きい。サイズはおよそ304mm×234mm×47mmだった。

自分にとって、Sweet16とThe Circleが佐野元春さんのキャリアハイだ。この時期の佐野さんは自分の表現したいことを余すことなく形にできる能力や環境下にあったように思う。

その後、どうしても思いどおりの声が出ない喉になってしまったようで、歌うのも辛そうで裏声を多用するようになってしまった。

まだ最初の1枚を聴いただけでブックレットすら目を通していないのだが、このリマスター盤がいきなり最高の出来で驚いた。

30代なかばの佐野さんの声は張りがあってクリアだ。しかし驚異なのはそのリマスタリング

特にボヘミアン・グレイブヤード~ハッピーエンドはこんなに素晴らしい曲だったのかと、思わず涙が出てしまった。

当時はしがない中古車のカーステレオやありふれたミニコンポで聴いており、現在はそこそこの再生環境下で聴いたせいもあるかとも思い、つい1992年リリース当時のCDと聴き比べてしまったが、楽器も声も明瞭度が図抜けていて、世界が広がっている。

リマスターを担当したRandy Merrillさんには拍手喝采を送りたい。この勢いでThe Circleや約束の橋などのリマスターもぜひお願いしたい。

それだけに肝心の紙ジャケ裏面のクレジットでリマスター担当者名を誤表記してしまっているのが情けないというか悲しすぎる。

御祝儀ものの記念盤で、しかも重要な箇所でこんなミスをするなんてあきれてしまう。

それでもセットの残りは手つかずの現時点で、購入して本当に良かったとも思えるこのリマスター盤。これ1枚だけでもシングルカットならぬアルバムカットしてリリースしても良いと思う。本セットはちょっと高額すぎて、かつ保管にも面倒だ。

しかし、買わない理由が価格だけなら、買って後悔はしない…はず。