音楽鑑賞の記録

ほぼクラシックのcd鑑賞記録です。

ベートーヴェン  ピアノ協奏曲 第5番&チャイコフスキー マンフレッド交響曲 イム・ユンチャン&ミハイル・プレトニョフ/東京フィルハーモニー交響楽団(2023年)

2023年2月22日コンサート・ライブ 東京オペラシティ コンサートホール

チャイコフスキーは名曲揃いなのでいまいち知名度の低いマンフレッド交響曲だが、個人的にはかなり好きな曲。実演の機会もそう多くないうえ、プレトニョフの実演も今まで聴く機会がなかったので楽しみにしていた。

ベートーヴェンでは、2022年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで史上最年少優勝の肩書を持つイム・ユンチャンによるピアノ。ユンチャンはとにかく若い。細い。

東京フィルの弦の印象も合わさり全体に線の細い演奏だが、その分弱音や繊細な表現が緻密で、技巧も素晴らしい。この先が楽しみ。アンコールはJ.S.バッハの主よ人の望みの喜びよ(マイラ・ヘス編曲)。

チャイコフスキーではプレトニョフの素晴らしさが堪能できた。総休止の後の出だしや弱音の繊細さ、緩急の付け方など、オケの統率がしっかりしていて、視線は別の方向でも、指先一つで各パートが反応していくさまを見ているだけでも面白い。マンフレッドでは各パートに活躍の場面がちりばめられているので楽しい。金管木管も明瞭に聴こえて、特にファゴットが良かった。

オルガンは石丸由佳さん。この曲では最後に美味しいところをさらうオルガンだが、たしかに超印象的場面を描いてくれた。

やはりマンフレッド交響曲は名曲。