2019年2月11日コンサート・ライブ
クルレンツィスとムジカエテルナ初来日公演の2日目。1年前から楽しみにしていた公演だが、この1年間での世評を見ていると話題性はあるがゲテモノ臭もあり若干不安ではあった。コパチンスカヤの協奏曲は既にcdが出ていたが実演では更に奔放な演奏で、まるで初めて聴く曲のようだ。この人の音は自分にはあまりキレイとは感じられないところがあるがとにかくその表現力と説得力が凄まじい。アンコールは3曲もあり、1:ミヨー:クラリネット、ヴァイオリンとピアノのための組曲 Op.157b 第2曲(「ノーピアノ」とコパチン自ら断りがあった)、2:リゲティ:バラードとダンスよりアンダンテ(コンマスとの2ヴァイオリン編)、3:ホルヘ・サンチェス=チョン:クリン(コパチンスカヤに捧げる)、でこれらは前日も同様だったようだ。
交響曲4番では、ヴァイオリン・ヴィオラは立って演奏、管楽器も出番では立って演奏。これが思った以上に効果があり、後ろの金管が高い位置に来ることで押し出しが良くなり音圧が増した。クルレンツィスは、協奏曲でもそうだったが緩急と強弱をかなり強引にいじっていて今までの既成の枠を大きく超えている。この是非は受け手の問題であろうが、自分には非常に刺激的で好印象。何よりも指揮者もオケも真剣であり、決して奇をてらったゲテモノではないことが感じられた。公演全体で特筆したいのは弱音の表現。コパチンもオケも、最弱音をくっきりと聴かせることに長けていた。
そして前日ではなかったらしいアンコール、本日は何とチャイコフスキーの幻想序曲ロメオとジュリエット…!これにはびっくりして、最初聴きだしのところでまさか…こんな長いのやるはずはない、短縮版なんてあったっけ…?と思ったくらい。これが生オケで聴けるとは思いもよらず、しかも超本気の約20:20の名演、これはアンコールピースじゃないでしょ(2日後の公演での本プロの一つだった)。観衆も総じて集中度が高く(咳やモノを落とすのは致し方ないか…)、素晴らしい体験でした。