音楽鑑賞の記録

ほぼクラシックのcd鑑賞記録です。

オペラ ヴェルディ:ドン・カルロ(伊語4幕版) リッカルド・シャイー /スカラ座管弦楽団(2023年)

NHKBS4K放送(2024年5月5日) 2023年12月7日ライブ

歌劇『ドン・カルロ』(1884年ミラノ4幕版)全曲 199分

ジュゼッペ・ヴェルディ作曲

■出演:
フィリッポニ世:ミケーレ・ペルトゥージ
ドン・カルロ:フランチェスコ・メーリ
ロドリーゴ:ルカ・サルシ
大審問官/修道士:パク・ジョンミン
修道士(カルロ五世):イ・ファンホン
エリザベッタ:アンナ・ネトレプコ
エボリ公女:エリーナ・ガランチャ
管弦楽:ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団
■指 揮:リッカルド・シャイー  

■収録:2023年12月7日 ミラノ・スカラ座(イタリア)

演出:ルイス・パスクワル
衣装:フランカ・スクワルチャピーノ
美術:ダニエル・ビアンコ
照明:パスカル・メラ
映像:フラン・アルー
振付:ヌリア・カステホン

ミラノ・スカラ座のシーズン開幕公演のライブ録画をNHKが4K放送。
主要キャスト各自に聴かせどころあり、重唱、合唱もありの傑作で、おかげで歌手を揃えるのが難しいとされる作品だが、今回は豪華キャスト陣。

シャイーとスカラ座管は切れ味の良い演奏で、かつ強弱も歌唱も聴きやすい。
合唱が前半は少し聴き取りにくい箇所があったが録音バランスのせいかわからない。

主要キャストではサルシとガランチャが特に良く、声に張りがあった。ガランチャは所作や雰囲気も良く、本当に演者として優れた人だ。
ネトレプコは前半は憂いの中で陰りのある声、4幕では決然とした声と、しっかり役を反映していた。

演出は近年吹き荒れる意味不明な演出ではなく、シンプルで重厚。白黒を基調とした衣装も相まって全体を暗く、証明で陰影を際立たせている。堀の深い顔立ちのキャストには、物語のキャラが持つ陰影が醸し出される効果があって良い試みと感じた。

現代の演奏、歌手、演出すべてが高い水準の公演。