音楽鑑賞の記録

ほぼクラシックのcd鑑賞記録です。

オペラ映画 ヴェルディ:オテロ ロリン・マゼール/スカラ座管弦楽団(1986年)

CSザ・シネマ放送  1986年収録

今日ではほとんど制作されることのないオペラ映画。

これは当時から傑作との評判で、今でもシネマコンサート形式などで上映もされている。かつて日本でもDVDが出ていたが今は流通がないようだ。

歌劇「オテロ」(映画) 122分
ヴェルディ 作曲

■出演:
オテロ:プラシド・ドミンゴ
デズデーモナ:カティア・リッチャレッリ
ヤーゴ:フスティーノ・ディアス
管弦楽:ミラノ・スカラ座管弦楽団
■指 揮:ロリン・マゼール
■監督:フランコ・ゼッフィレッリ

見どころ聴きどころはとにかく豊富。

ドミンゴ・リッチャレッリはともに見栄えのする出で立ちで歌唱も抜群。特にドミンゴは凄まじいハマりっぷり。

そしてゼッフィレッリといえば原作忠実、豪華絢爛。これでもかというロケーション、群衆シーン…。とても今では制作できないだろうと思わせる。これだけやってくれれば説得力は大いに感じられる。

映像は80年代だけに鮮明とは言い難いが、作りは妥協なしで今でも十分に見応えがある。

マゼールスカラ座の演奏は、とかく派手な画面に隠れがちだが、舞台と場面の演出がとてもマッチした編集の効果で、サントラ的な演出効果が非常に高い。制作には相当な苦労があったと推察される。

オペラ単品として捉えると柳の歌など一部カットもあり完璧とはいえないまでも、オペラにそれほど関心が高くない層には非常に入りやすく、こういった試みは続けてほしいもの。

総じてあらゆる点で完成度の高いこの作品を流通から埋もれさせてしまうのは実に惜しい。最近流行りのリマスター商法で復活させるべきだろう。