NHKBSプレミアム放送(2021年5月10日) 2018年10月11日ライブ
歌劇「偽の女庭師」(全3幕) 179分
モーツァルト 作曲
■出演:
代官:クレシミル・シュピツェル
サンドリーナ:ジュリー・マルタン・デュ・テイユ
アルミンダ:アネット・フリッチュ
伯爵:ベルナール・リヒター
ラミーロ:ルチア・チリッロ
セルペッタ:ジュリア・セメンツァート
ナルド:マッティア・オリヴィエーリ
■管弦楽:ミラノ・スカラ座管弦楽団(ピリオド楽器使用)
■指 揮:ディエゴ・ファソリス
■収録:2018年10月11日 ミラノ・スカラ座(イタリア)
演出:フレデリック・ウェイク・ウォーカー
装置&衣装デザイナー:アントニー・マクドナルド
照明:ルーシー・カーター
もともと8KHDR/22.2マルチチャンネル収録された公演を2K/5.1チャンネルにダウンコンバートして放送されたものを視聴した。同内容がブルーレイ(NYDX50160)などで商品化もされている。
自分は初めて聴く演目だが、ダポンテオペラに引けを取らない完成度の高いオペラだ。主要キャストは7人もおり各自のキャラと人間関係はしっかり構成されている。
しかも全員に見せ場・聴かせどころがふんだんにあり重唱も充実。おかげでタイトル役が若干影が薄くなってしまった感はあるが。歌手陣は皆ビジュアル的にも良かった。
ピリオド楽器使用でフォルテピアノも使用され舞台演出も奇をてらわず好印象。一方で、マイクのせいなのか歌唱がときおり遠くあるいは小さく聴こえることもあった。
衣装もとてもマッチしており特にアルミンダは頻繁に衣装が代わりどれも非常に凝っていて綺麗だった。
しかし2幕後半以降、舞台を破壊しまくりそのまま3幕へ移行するがこの辺りの演出が雑になっており、状況や心情が非常に分かりにくくなってしまっているのが残念。観劇前に話の予習が必須だ。
またライティングも横と前からの光源で背景に役者の影が大きく映りこんだりすることが多い。これも何らかの演出意図があるだろうが、2幕のラミーロのアリア以外ではあまり効果的とは感じなかった。