WOWOW放送 2018年4月14日ライブ(2019年2月9日放送)
歌劇『ルイザ・ミラー』ヴェルディ作曲 約177分(幕間解説等含む)
■出演:
ルイザ:ソニア・ヨンチェヴァ
ミラー:プラシド・ドミンゴ
ロドルフォ:ピョートル・ベチャワ
ヴルム:ディミトリ・ベロセルスキー
ヴァルター伯爵:アレクサンダー・ヴィノグラドフ
フェデリカ:オレシア・ペトロヴァ
■管弦楽:メトロポリタン歌劇場管弦楽団
■指 揮:ベルトラン・ド・ビリー
■収録:2018年4月14日 メトロポリタン歌劇場
演出:エライジャ・モシンスキー
ドミンゴが77歳で臨む初役が目玉となった演目。自分にはこれまで観るはおろか、聴くのも初めてとなるヴェルディの第15作オペラ。
主役の3人は素晴らしく、ドミンゴも77歳でこれは凄すぎる。終幕のヨンチェヴァとの二重唱は本当の父娘のような真に迫ったものだった。
ベチャワはもう世界中のどの演目にも現れる感があり、いつも安定している。と言ってもこの人はいつも突っ立ったまま拳を胸にというスタイルで見栄えはあまりしない。
中でも良かったのは伯爵とヴルムの二重唱。これがシモン・ボッカネグラやドン・カルロスの重厚さへ発展していくのだなと感じ入った。他にも様々な二重唱、四重唱、アリアと聴きどころは多彩。
ヴェルディ作品は名作が多すぎるゆえに注目度が低くなってしまうものもあるが、やはりもっと色々と聴いてみたくなる。
演出は変な読み替えもなく馬鹿な主張もせず、役者に重きを置いた、ツボを得たものだった。ミラーは退役軍人だが、常に軍服を着用してその規範への厳しさを性格付けていた。
オペラは絵付きでなくても良いと感じることが多いのだが、今作は映像付きで総合的な仕上がりの完成度が高い。