NHK BSプレミアム放送(2022年6月12日再放送) 2020年2月13日ライブ
ベートーヴェンの唯一と言われるオラトリオ、滅多に演奏機会のないレアもの。この曲の初演はなんと交響曲第2番とピアノ協奏曲第3番の初演も兼ねたベートーヴェン自身による演奏会という。
自分の嗜好として、オラトリオはあまり聴く機会はなく、ラトルも現代曲が得意な人というイメージでこれもあまり聴く機会はないのだが、ただでさえ珍しい演奏が映像付きということで鑑賞してみた。
これがなかなか良く、キリストの逮捕劇をストーリーの土台に、陰鬱な雰囲気で始まり最後は大きなクライマックスを奏でる展開と曲調にとてもベートーヴェンらしさを感じられる。埋もれさせるには惜しい曲だ。
オラトリオにしては演奏時間は45:20程度とコンパクトで聴きやすい。同じ日の音源と1月19日のライブ音源を加えたSACDがLSOレーベルからリリースされている(LSO0862)。
ラトルは2017年にベルリン・フィルとハイドンの天地創造の演奏も映像があって、これもなかなか良かった。このときのソプラノがエルザ・ドライシヒで今回のベートーヴェンと同じ。