SICC-10130(RCA)7 1997年12月7-9日ライブ録音
ヴァントのブラームス交響曲チクルスのラストとなる第4番。ヴァントの病気によりチクルスの完成は予定より遅くなっていた。演奏会ではベートーヴェンの交響曲第1番との組み合わせだったが、当初はベートーヴェンではなくストラヴィンスキーの火の鳥を予定していたらしい。12:57/11:42/6:35/9:59。 演奏は音に張りがあって、広がりを感じさせる。第2楽章のゆったりとしたテンポが心地よい。各楽器の音量バランスも良い。
85歳のヴァントによるミュンヘン客演によるブラームスの交響曲第1番、現在ではこの演奏が公式リリースされているヴァントのブラームス第1番では最後の記録のようだ。14:02/9:33/4:59/17:27(拍手抜きで17:02)。ライブだがノイズもなく弱音も充分に入っている。2006年リマスター。2楽章のソロヴァイオリンはくっきりと聴こえる。隣接年に残されている北ドイツ放送響やベルリン・ドイツ響と同じヴァント節と言ってしまえばそれまでだが、これも名演。最後の部分でまとまりが崩れかけるとこともあるが、全体に金管が余裕を感じさせ、ティンパニが最高にうまく、これがしっかり聴こえてくるのが嬉しい。
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 創立125周年記念として2018年にボックス販売されたなかの一つ。この音源がリリースされたのはこのときが初めてらしい。配信されていて存在にようやく気がついて聴いてみた。6:46/10:10/4:51/5:34。音質は豊かとは言えないがノイズはなくクリア。ミュンヘンフィルの温かみある音がこの曲にマッチしており穏やかな雰囲気。ヴァントには1984年のスタジオ録音と最晩年の2001年ライブ録音がCDリリースされていた。また1997年の8月にキール城でのライブ演奏映像がある。本演奏はこの半年前の客演ということになる。