SICC-10130(RCA) 1996年4月21-23日ライブ録音
ヴァントのブラームス交響曲チクルスの第2弾。13:35/9:30/4:55/16:56。音場が広く感じられ程よい響き。ヴァントらしい快速テンポで始まり、その後は悠揚と進む。ティンパニがとてもきれいに入っているのが嬉しい。ヴァントには翌年のミュンヘン・フィルハーモニーとの客演と、北ドイツ放送響との演奏がこれは映像で、残されている。
ヴァントがベルリン・ドイツ響に客演したライブ。この指揮者・オケ共演の録音は2020年現在では、この演奏が時期的には最後のもののようだ。11:58/10:27/5:55/7:38(拍手抜きで6:51)。ライブながら音質は良く音量豊かで硬質な響き。演奏も精度が高く切れ味が良い。
84歳になったばかりのヴァントによるベルリン・フィル客演のブルックナーチクルスの始まり。abruckner.comによれば1878 Version Ed. Robert Haas[1935]。21:30/16:24/14:13/24:23。ヴァント十八番の一つの5番は、CDでの記録はこれが最後、映像では1998年北ドイツ放送響との演奏が最後になる。没後リリースされた前年演奏の北ドイツ放送響盤、ミュンヘン・フィル盤とも素晴らしかったが、生前リリースの本盤は正にベスト。超名演であり、何より音質と情報量が圧倒的。ブルックナーの交響曲第5番に関心のある方には、この演奏をSACDで聴く体験を是非お勧めしたい。できの良いSACDは情報量が一気に増えるのでブルックナーとマーラーには特に親和性が高く感じる。問題は巷に溢れるSACDにはできの悪いものも多いことだ。
チェリビダッケのオケであるミュンヘン・フィルをヴァントが客演したもので、ヴァント自身はこの約2ヶ月前に北ドイツ放送響との演奏、さらに本演奏の約2ヶ月後にベルリン・フィルとの客演他が残されているブルックナーの5番。abruckner.comによれば1878 Version Ed. Robert Haas[1935]。20:55/15:38/14:02/25:02(拍手抜きで24:11)。ライブだがノイズもなくバランスも良い。小さい音量もしっかり聴き取れる。直前の北ドイツ放送響との演奏と比べても、よくぞここまで指揮者の意図が反映されたという完成度の高い名演。1993年のチェリビダッケの演奏と比べると面白い。2006年リマスター。
ヴァントと手兵北ドイツ放送響のハンブルクでのライブ録音はライナーノーツによれば5月15日の一発録音のようだが、公演は5月14-16日でハイドンの交響曲第76番との組み合わせ。abruckner.comによれば1881 Version. Ed. Leopold Nowak [1952]。16:34/15:56/8:49/13:44。2週間前のベルリン・ドイツ響との演奏に比べると演奏の精度がより高まり、録音も高音低音ともしっかり入って、かつ音の広がりも感じられる。低弦が素晴らしい。翌年の7月6-7日にはリューベックでの音楽祭で同じプログラムを演奏し、7日の演奏が2曲とも映像化されている。その後ヴァントはベルリン・フィルとの演奏も予定されていたらしいが、その前に世を去ってしまった。
ベルリン・ドイツ響とヴァントのライブ演奏で、ハイドンの交響曲第76番と組み合わせたプログラムだったようだ。16:54/16:07/8:46/15:10(拍手抜きで13:44)。abruckner.comによれば1881 Version. Ed. Leopold Nowak [1952]。翌年7月には同じプログラムで北ドイツ放送響との演奏が映像で残されている。ベルリン・ドイツ響との音源は指揮者没後のリリースだが、生前のヴァントにはこの日から僅か2週間後の北ドイツ放送響との正規録音があるので、違いであるオケ、ホール、録音エンジニアリングを較べることになる。録音は音場の広がりを感じるよりも、近くでありながら全体を見通すような傾向に感じる。第4楽章の最終盤も各音が聴き取りやすい。