2097034(Euroarts)2016年8月20,23日ライブ
商品化されている上記のものをクラシカ・ジャパンで放送されたもので視聴した。
歌劇『ファウスト』グノー作曲 180分
■出演:
ファウスト:ピョートル・ベチャワ
メフィストフェレ:イルダー・アブドラザコフ
マルグリート:マリア・アグレスタ
シーベル:タラ・エロート
■合唱:ウィーン・フィルハーモニア合唱団
■管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
■指揮:アレホ・ペレス
■収録:2016年8月20,23日 ザルツブルク祝祭大劇場
演出・装置:ラインハルト・フォン・デア・タンネン
振付:ジョルジオ・マディア
映像監督:ティツィアーノ・マンチーニ
指揮のペレスはウィーン・フィルを初めて振るということで慎重さを感じさせるがとても良い演奏に仕上がっていた。主演クラスの歌手も皆良く、特にベチャワは顔も締まって自信に溢れた歌唱で安定していた。以前はぽっちゃり気味で、田舎から出てきて不安な様子で指揮者を求めているような印象だった。
一方で合唱はイマイチ精度を欠いてぼんやりした雑な印象。出番が多い分、残念だった。
一番マイナスだったのは演出と舞台だった。舞台は現代の室内的なシンプルなもので全幕通してほぼ変化なし。衣装が奇天烈なものが多い。モブは皆、道化顔に白いつなぎのような同じ格好で奇妙な動き。終盤に出てくるオブジェも巨大骸骨模型や黒い球体など意味が分からない。本来の歌詞と異なる所作やシチュエーションも多く、総じて何だか意味不明なシロモノとなってしまった。