音楽鑑賞の記録

ほぼクラシックのcd鑑賞記録です。

ベートーヴェン ピアノソナタ 第9番・第16番・第24番・第8番・第14番 仲道郁代(2020年)

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2020年12月20日コンサート・ライブ 横浜みなとみらいホール

ちょうど10ヶ月ぶりのコンサート鑑賞。大ホールでのピアノソロなので音量に不安はあったが1階の良席とは言えない場所でもしっかり聴くことができた。予定のプログラムから演奏順序を変更して、9→16→休→24→8→14となった。アンコールはシューマントロイメライ。各演奏の前には演奏者自身による演奏論が語られ、とっつきやすさが感じられた。8番・9番・31番における関連性など曲を横断したコンセプト論は興味深いものだった。演奏自体はしなやかで心地よく、弱音もくっきりと表現されていた。心地よいのかは分からないが周囲の方々の睡眠率が高いのには閉口した。感染対策の効果か、フラブラはなかったがこれまでの経験ではみなとみらいホールでの聴衆ノイズは多く、聴衆一部の集中力が低いと思わされる。みなとみらいホールはこのあと1月から2022年10月まで大規模修繕のため長期休館に入るとのことだった。

 

 

 

 

ムソルグスキー=ラヴェル編 展覧会の絵 ギュンター・ヴァント/北ドイツ放送交響楽団(1999年)

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 BVCC34032(RCA) 1999年2月21-23日ライブ録音

ヴァントが87歳になった翌月のライブ。このときのライブはベートーヴェン交響曲第2番とともにプログラムされ、ムソルグスキーの同曲演奏は1995年に一度お蔵入りになったらしいが、今回の演奏はベートーヴェンとともに無事商業リリースされた。33:01。晩年のヴァントでは珍しい非ドイツ系作曲家の曲だが、決して悪くはないがなんとなく無難な出来に感じる。若干レンジが狭く感じるのもその原因か。

 

 

 

ベートーヴェン 交響曲第2番 ギュンター・ヴァント/北ドイツ放送交響楽団(1999年)

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SICC-10138(RCA) 1999年2月21-23日ライブ録音

ヴァントのライブ演奏記録で、当日はムソルグスキー展覧会の絵とともに演奏された。12:14/10:32/3:43/6:48。音質良く音場も広く聴きやすい。この曲についてはヴァントは1988年に北ドイツ放送響とスタジオ録音を残しているが、11年後のこのライブ演奏でもほぼスタイルやテンポは変わっていない。急ぎすぎず遅くもならず、確実に踏みしめていく。DSDリマスタリング

 

 

 

ブルックナー 交響曲第9番 ギュンター・ヴァント/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1998年)

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BVCC-34149(RCA) 1998年9月18,20日ライブ録音

ヴァントのブルックナー第9番の1998年ライブ録音は現時点で3つリリースされており、いずれもオケが異なる。生前にリリースされたのは本盤のみ。abruckner.comによれば1894 Original Version. Ed. Leopold Nowak [1951]。26:12/10:35/25:12。ベルリン・フィルによるこの版の演奏はヨッフムカラヤンバレンボイムなどがある。ヴァントによる本演奏は全体にオケの力強さ、圧力がより感じられる。弱音でもそれは顕著だ。金管の安定度も高く素晴らしい。同年の北ドイツ放送響、ミュンヘンフィルとの同曲演奏に比して硬質感があるのでこの点で好悪が出るかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

ブルックナー 交響曲第9番 ギュンター・ヴァント/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団(1998年)

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PH06045(Profil) 1998年4月21日 ライブ録音

ヴァントの北ドイツ放送響とのライブ録音からわずか2週間あまり後のミュンヘンフィルとの客演。abruckner.comによれば1894 Original Version. Ed. Leopold Nowak [1951]。27:02/10:48/26:18(拍手抜きで25:14)。直近の北ドイツ放送響との演奏とほぼ同じ演奏時間。ライブだがノイズもなく弱音、強音ともに聴き取りやすい。若干フォーカスが弱く感じるところもある。オケと指揮者感の緊張感はより強く、演奏のキレが良い。

 

 

 

 

 

ブルックナー 交響曲第9番 ギュンター・ヴァント/北ドイツ放送交響楽団(1998年)

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PH-12044(Profil)1998年4月5-7日 ライブ録音 

ヴァント手兵の北ドイツ放送響とのブルックナー第9番で、abruckner.comによれば1894 Original Version. Ed. Leopold Nowak [1951]。27:26/11:08/27:17(拍手抜きで26:17)。指揮者没後の2014年にリリースされたボックス・セットの一つ。ノイズもなく音質も良いが全体のレンジが若干小さく感じる。音の聴き取りはしやすい。終盤の金管に若干の不安定さがあるが総じてテンポや間のとり方など、指揮者の意思が精度高く反映されている。

 

 

 

 

 

ブルックナー 交響曲第4番 ギュンター・ヴァント/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1998年)

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BVCC34146(RCA) 1998年1月30,31日,2月1日ライブ

86歳になったヴァントのベルリン・フィル客演シリーズ、ブルックナー第4番はabruckner.comによれば1881 (aka 1878/80) - Ed. Robert Haas [1936]。19:09/15:58/11:14/21:50。音はクリアで広がりもよく、無音のときの空気までも感じられる気分。演奏は精緻ながらもダイナミックで素晴らしい。ライブだが集中力も高く聴かせどころはとことんカッコいい。